僻地並みの医師不足に陥る首都圏3県
東京都心以外、医師増えても高齢化に追いつかず
2013年8月1日号
「2020年には首都圏は医師不足になる」──こんなショッキングなことを発表したのは、千葉大学医学部付属病院高齢社会政策研究部客員准教授の井出博生氏だ。6月に大阪で開かれた日本老年医学会学術集会で演壇に立った井出氏は、20年の東京、神奈川、埼玉、千葉の一都三県の老齢者人口と医師数の推移を予測、分析した結果、「最も医師数が多いとされる首都圏で医師が足りなくなる」と講演したのである。 医師不足は、専ら山間僻地を抱える地方の話として語られているが、実は灯台下暗しで、高齢社会ではなんと最も人口が多い首都圏ほど医師が足りなくなるという。むしろ、人口が多く当然、高齢者数も多い首都圏こそ今後、僻地と同様になるのだそうで、自治体はそういう予測を見据えて医療政策を進める必要があると警告する。 「都市鉱山」なんていう言葉はあるが、ひょっとすると、首都圏は鉱山が唯一...
「2020年には首都圏は医師不足になる」──こんなショッキングなことを発表したのは、千葉大学医学部付属病院高齢社会政策研究部客員准教授の井出博生氏だ。6月に大阪で開かれた日本老年医学会学術集会で演壇に立った井出氏は、20年の東京、神奈川、埼玉、千葉の一都三県の老齢者人口と医師数の推移を予測、分析した結果、「最も医師数が多いとされる首都圏で医師が足りなくなる」と講演したのである。 医師不足は、専ら山間僻地を抱える地方の話として語られているが、実は灯台下暗しで、高齢社会ではなんと最も人口が多い首都圏ほど医師が足りなくなるという。むしろ、人口が多く当然、高齢者数も多い首都圏こそ今後、僻地と同様になるのだそうで、自治体はそういう予測を見据えて医療政策を進める必要があると警告する。 「都市鉱山」なんていう言葉はあるが、ひょっとすると、首都圏は鉱山が唯一の産
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