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製薬企業の矜持が問われている

2013年8月1日号

 京都府立医大の降圧剤の臨床研究で、データが改竄されていたことが判明した。この不正には、ノバルティスの元社員の関与が疑われている。また、この臨床研究を担当した研究室には、ノバルティスから1億円もの研究資金が提供されていた。一方、研究結果は世界的に著名な専門誌に掲載されており、日本の臨床研究に疑惑が向けられかねない事態になっている。 それにしても、今回のノバルティスの対応は、筆者には不可解な点が多い。データ解析に関与したとされる元社員とは、現在連絡が取れず調査できないとのコメントには正直驚いた。関係者によると、この臨床研究では、統計解析に関わった元社員が研究会議にも出席、事務局も担当したとのこと。そして実際の判定結果と違うデータを入力し、「ディオバン」に有利となるよう操作した可能性があったとされる。さらに、本研究会議の議事録がすべて残ってい...  京都府立医大の降圧剤の臨床研究で、データが改竄されていたことが判明した。この不正には、ノバルティスの元社員の関与が疑われている。また、この臨床研究を担当した研究室には、ノバルティスから1億円もの研究資金が提供されていた。一方、研究結果は世界的に著名な専門誌に掲載されており、日本の臨床研究に疑惑が向けられかねない事態になっている。 それにしても、今回のノバルティスの対応は、筆者には不可解な点が多い。データ解析に関与したとされる元社員とは、現在連絡が取れず調査できないとのコメントには正直驚いた。関係者によると、この臨床研究では、統計解析に関わった元社員が研究会議にも出席、事務局も担当したとのこと。そして実際の判定結果と違うデータを入力し、「ディオバン」に有利となるよう操作した可能性があったとされる。さらに、本研究会議の議事録がすべて残っていな

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