放言de万事開帳
医療事故調査は「患者中心の医療」を忘れるな
沙鷗一歩
2013年7月15日号
以前、天皇陛下の心臓手術を執刀した心臓外科医の天野篤さん(順天堂大教授、57歳)をインタビューしたことがある。
「神の手」(ゴッドハンド)をもつ医師と呼ばれることをどう思うかという問いに、天野さんは「神の手というより物差しの手」と冗談を言いながら「手術はすべて計算してやっている。だから物差し。それでも手術中には計算外のことが起きる。そんなときも患者さんを治すためには決して妥協しない」と答えていた。天野さんは治療に全力投球し、患者中心の医療を実践している。
この天野さんに比べ、最近の外科医は手術の結果を出せないばかりか、失敗を繰り返しても反省せず、平気な顔でいる輩が多い。
医師の失敗……それは医療事故だ。これほど患者にとって理不尽なものはない。病気を治すために病院を訪れたにもかかわらず、死に至らしめられるからだ。この悲劇をなくすには「医療...
以前、天皇陛下の心臓手術を執刀した心臓外科医の天野篤さん(順天堂大教授、57歳)をインタビューしたことがある。
「神の手」(ゴッドハンド)をもつ医師と呼ばれることをどう思うかという問いに、天野さんは「神の手というより物差しの手」と冗談を言いながら「手術はすべて計算してやっている。だから物差し。それでも手術中には計算外のことが起きる。そんなときも患者さんを治すためには決して妥協しない」と答えていた。天野さんは治療に全力投球し、患者中心の医療を実践している。
この天野さんに比べ、最近の外科医は手術の結果を出せないばかりか、失敗を繰り返しても反省せず、平気な顔でいる輩が多い。
医師の失敗……それは医療事故だ。これほど患者にとって理不尽なものはない。病気を治すために病院を訪れたにもかかわらず、死に至らしめられるからだ。この悲劇をなくすには「医療事故
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