話題の焦点
「動く標的にも放射線の威力」
2013年7月1日号
放射線による治療は、攻撃目標を固定的に捉え、正確に照射する静的な3次元の世界が原則。従って、対象が生体となると、かすかながらも動きが伴うのがしゃくの種。 最新技術は、ついにこの難関を乗り越え、時間的精度を加えたり、リアルタイム・動的4次元の世界を捉えることに成功した。 例えば、膀胱は尿量や周囲の腸の動きにより、容易くその位置や形を変える厄介な臓器。だが、新式の4次元画像誘導放射線治療技術は、腫瘍部分を正確に捉えることができる。 動きが比較的大きいと言われる肺がんや肝臓がんなどでも、呼吸性移動対策の必要がない。 迎撃照射、あるいは動体追跡技術など、兵器を思わせる言葉が使われるが、それはあくまでも平和的、医学的技術の建設的な成果。 臨床ガイドラインの制定、及び早々と保険収載されたことなど、わが国が世界に先がけて成し遂げた研究結果であり、誠に誇...
放射線による治療は、攻撃目標を固定的に捉え、正確に照射する静的な3次元の世界が原則。従って、対象が生体となると、かすかながらも動きが伴うのがしゃくの種。 最新技術は、ついにこの難関を乗り越え、時間的精度を加えたり、リアルタイム・動的4次元の世界を捉えることに成功した。 例えば、膀胱は尿量や周囲の腸の動きにより、容易くその位置や形を変える厄介な臓器。だが、新式の4次元画像誘導放射線治療技術は、腫瘍部分を正確に捉えることができる。 動きが比較的大きいと言われる肺がんや肝臓がんなどでも、呼吸性移動対策の必要がない。 迎撃照射、あるいは動体追跡技術など、兵器を思わせる言葉が使われるが、それはあくまでも平和的、医学的技術の建設的な成果。 臨床ガイドラインの制定、及び早々と保険収載されたことなど、わが国が世界に先がけて成し遂げた研究結果であり、誠に誇ら
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