深層◎論文疑惑
「ディオバン問題」報告書の全容
臨床研究、特別でない製薬企業の「関与」
2013年7月1日号
手元に全18ページの報告書がある。「2013年4月13日付け調査報告依頼に対する最新情報に基づく現状報告書」とのタイトルで、ノバルティスファーマが5月21日付で作成したものだ。高血圧症治療薬「ディオバン」(一般名=バルサルタン)を用いた医師主導臨床研究に、同社がどのように関わったのかを示した社内調査の報告書で、一部の学会や大学関係者にしか配布されていない。 ディオバンを巡っては、京都府立大学の松原弘明元教授のチームが行った国内大規模臨床研究「KYOTO Heart Study」の論文が、2月に欧州心臓病学会の医学誌「ヨーロピアン・ハート・ジャーナル」から撤回されたのをきっかけに、ノバルティスによる試験への関与が疑われるようになった。 報告書は、この疑惑に対する日本法人による調査結果で、この問題を扱ううえで重要な資料となる。ただ、ノバルティスは調査結果の概要のみしか...
手元に全18ページの報告書がある。「2013年4月13日付け調査報告依頼に対する最新情報に基づく現状報告書」とのタイトルで、ノバルティスファーマが5月21日付で作成したものだ。高血圧症治療薬「ディオバン」(一般名=バルサルタン)を用いた医師主導臨床研究に、同社がどのように関わったのかを示した社内調査の報告書で、一部の学会や大学関係者にしか配布されていない。 ディオバンを巡っては、京都府立大学の松原弘明元教授のチームが行った国内大規模臨床研究「KYOTO Heart Study」の論文が、2月に欧州心臓病学会の医学誌「ヨーロピアン・ハート・ジャーナル」から撤回されたのをきっかけに、ノバルティスによる試験への関与が疑われるようになった。 報告書は、この疑惑に対する日本法人による調査結果で、この問題を扱ううえで重要な資料となる。ただ、ノバルティスは調査結果の概要のみしかウ
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