医薬経済オンライン

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少数派経済観測

挫折直前か、アベノミクス3本の矢

第15回

国際エコノミスト 今井澂

2013年7月1日号

 去る5月23日、東京株式市場で発生した暴落が、ヘッジファンドの日経平均先物の大量売りによって起きたことは前号でも触れた。 1日の売買金額4兆円の市場に6兆円の売り注文が出たのだから、瞬間先物価格で1万6000円をつけた日経平均が高値比で2000円も下げたのは当然だろう。 何で売ったのか。前日に米FRB(連邦準備制度理事会)のバーナンキ議長が会見で、現在進行中の量的金融緩和「QEⅢ」の終了が近いことを示唆したからである。 その後、6月19日に議長は、年後半から米国債やMBS(住宅担保証券)の購入減額を、来年央には購入完了する計画を公表。米国の債券市場では金利が急上昇(価格は大幅値下がり)している。金利上昇は株価の大敵で、もちろん、NYダウ平均も大幅に下げている。 つまり、5月の東京株式市場の下落は、米国の株安を予見して、一番利益の出ていた市場から利食い売り...  去る5月23日、東京株式市場で発生した暴落が、ヘッジファンドの日経平均先物の大量売りによって起きたことは前号でも触れた。 1日の売買金額4兆円の市場に6兆円の売り注文が出たのだから、瞬間先物価格で1万6000円をつけた日経平均が高値比で2000円も下げたのは当然だろう。 何で売ったのか。前日に米FRB(連邦準備制度理事会)のバーナンキ議長が会見で、現在進行中の量的金融緩和「QEⅢ」の終了が近いことを示唆したからである。 その後、6月19日に議長は、年後半から米国債やMBS(住宅担保証券)の購入減額を、来年央には購入完了する計画を公表。米国の債券市場では金利が急上昇(価格は大幅値下がり)している。金利上昇は株価の大敵で、もちろん、NYダウ平均も大幅に下げている。 つまり、5月の東京株式市場の下落は、米国の株安を予見して、一番利益の出ていた市場から利食い売りを行

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