薬剤経済学
有効性比較情報を個別化する理由
(後)
2013年7月1日号
薬物中毒に対する適切な治療は、自由選択で割り当てることで、患者1人当たりの犯罪を0.16件減らすが、平均値で優れる外来療法を一律提供するだけでは、0.05件の改善に過ぎない。これがA.バス(ワシントン大学)の「CERにおける個別化の経済学と患者中心の医療の基礎」(ジャーナル・オブ・ヘルス・エコノミクス2011年7月)の結論だった。新旧の統合失調症用薬を例に、平均値に基づく薬剤アクセスの制限は却って効用を落とすと指摘したバスは、中毒療法でも重ねて、個別化した有効性比較研究(CER)が医療の効率化を導くと説いた。 図1は、長期入所の中毒療法を選んだ患者が、短期入所か外来療法を受けたときの結果と比べている。斜線の下は、ほかの2療法で犯罪抑止効果が高いと言っている。長期入所に不適切な選択(52%)が多く、選択の是正は1人当たり0.36件の犯罪防止に値する。しかし、大...
薬物中毒に対する適切な治療は、自由選択で割り当てることで、患者1人当たりの犯罪を0.16件減らすが、平均値で優れる外来療法を一律提供するだけでは、0.05件の改善に過ぎない。これがA.バス(ワシントン大学)の「CERにおける個別化の経済学と患者中心の医療の基礎」(ジャーナル・オブ・ヘルス・エコノミクス2011年7月)の結論だった。新旧の統合失調症用薬を例に、平均値に基づく薬剤アクセスの制限は却って効用を落とすと指摘したバスは、中毒療法でも重ねて、個別化した有効性比較研究(CER)が医療の効率化を導くと説いた。 図1は、長期入所の中毒療法を選んだ患者が、短期入所か外来療法を受けたときの結果と比べている。斜線の下は、ほかの2療法で犯罪抑止効果が高いと言っている。長期入所に不適切な選択(52%)が多く、選択の是正は1人当たり0.36件の犯罪防止に値する。しかし、大半は
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