医薬経済オンライン

医療・医薬業界をさまざまな視点・論点から示すメディア

眺望「医薬街道」

玉虫色の決着「医療事故調査制度」

近藤正觀

2013年6月15日号

 航空機事故や鉄道事故が発生した際には、それぞれの「事故調査委員会」によって発生原因の究明が行われる。海難事故も同様だ。ところが、「医療事故」となると医学の進歩スピードが早く、まして人体に侵襲(手術など)して治療行為を行うから、不幸にして死亡した患者の死亡原因を特定するのは極めて困難になる。世間で言う医療事故はベッドからの陥落などによる骨折から、薬剤の取り違え、手術中の予想外事象の出現など範囲がものすごく広い。 今年5月29日、厚生労働省の「医療事故に係わる調査の仕組み等のあり方に関する検討部会」は、これまでの議論をまとめて一応の決着をみた。 医療事故が国民の目を引いたのは99年に起きた「横浜市大患者取り違え手術事件」と「都立広尾病院点滴液の投与間違い事件」である。診療側が診療行為の詳細を隠蔽しようとしたことが医療不信につながった。この99年を...  航空機事故や鉄道事故が発生した際には、それぞれの「事故調査委員会」によって発生原因の究明が行われる。海難事故も同様だ。ところが、「医療事故」となると医学の進歩スピードが早く、まして人体に侵襲(手術など)して治療行為を行うから、不幸にして死亡した患者の死亡原因を特定するのは極めて困難になる。世間で言う医療事故はベッドからの陥落などによる骨折から、薬剤の取り違え、手術中の予想外事象の出現など範囲がものすごく広い。 今年5月29日、厚生労働省の「医療事故に係わる調査の仕組み等のあり方に関する検討部会」は、これまでの議論をまとめて一応の決着をみた。 医療事故が国民の目を引いたのは99年に起きた「横浜市大患者取り違え手術事件」と「都立広尾病院点滴液の投与間違い事件」である。診療側が診療行為の詳細を隠蔽しようとしたことが医療不信につながった。この99年を境

有料会員限定

会員登録(有料)
この記事をお読みいただくためには、会員登録(有料)が必要です。
新規会員登録とマイページ > 購読情報から購入手続きをお願いいたします。
※IDをお持ちの方はログインからお進みください

【会員登録方法】
会員登録をクリックしていただくと、新規会員仮登録メール送信画面に移動します。
メールアドレスを入力して会員登録をお願い致します。
1ユーザーごとの登録をお願い致します。(1ユーザー1アカウントです)

googleAdScence