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OBSERVER

江崎禎英・経済産業省製造産業局生物化学産業課長

2013年6月1日号

マーケットを変えるしかない ——医療費に関して発想の転換を訴えられています。 江崎 医療の世界には、供給者側の理論しか存在しない。医療を「サービス」と見なし、享受する側である患者さんの視点を取り入れるべきではないだろうか。マーケットに治療を選ばせるような感覚だ。医療は、金融と並んで、供給者とサービスを受ける側との間に圧倒的な情報格差があることで知られている。そこをフェアにすることで、社会にも患者さんのためにもなる「お金の使い方」があるのではないかと思っている。そうすることで、財政破綻の問題も解決できるし、これまで助けることができなかった患者さんも助けられるかもしれない。 ——どのような原理で患者の救済にまで発展するのでしょうか。 江崎 現在、国家予算の半分に匹敵する何十兆円もの社会保障費が消えている。その構造のなかで、研究開発が進み、雇用も... マーケットを変えるしかない ——医療費に関して発想の転換を訴えられています。 江崎 医療の世界には、供給者側の理論しか存在しない。医療を「サービス」と見なし、享受する側である患者さんの視点を取り入れるべきではないだろうか。マーケットに治療を選ばせるような感覚だ。医療は、金融と並んで、供給者とサービスを受ける側との間に圧倒的な情報格差があることで知られている。そこをフェアにすることで、社会にも患者さんのためにもなる「お金の使い方」があるのではないかと思っている。そうすることで、財政破綻の問題も解決できるし、これまで助けることができなかった患者さんも助けられるかもしれない。 ——どのような原理で患者の救済にまで発展するのでしょうか。 江崎 現在、国家予算の半分に匹敵する何十兆円もの社会保障費が消えている。その構造のなかで、研究開発が進み、雇用も増え

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