医薬経済オンライン

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「下山」を強いられる幾多のナナイチ

次期診療報酬改定と病床報告制度、力技の「予定調和」

2013年6月1日号

 「フラフラで歩く幽霊みたいになって戻った。死の世界からやっと辿り着いた」 80歳でエベレスト登頂に成功した三浦雄一郎さんが第2キャンプまで戻ってきた際、無事を伝える電話で漏らした一言だ。登山は下山こそ難しいとは言うが、なんとその壮絶さが凝縮された言葉か。 翻って、自由開業医制のわが国では、医師が独立開業して一国一城の病院長となり、規模拡大と高度化で地域一番の病院を擁することこそ、疑いなく、立身出世の定番の登頂ルートである。その頂きに立った理事長・病院長たちが今、こぞって厳しい「下山」を強いられようとしている。 業界用語で「ナナイチ」と言えば、入院基本料の最高峰に位置づけられる「7対1入院基本料」であり、あるいはそれを算定しているハイグレードな病院、いわゆる「7対1病院」のことを指す。看護体制が最も手厚く、平均在院日数が最も短く、重症患者の割合...  「フラフラで歩く幽霊みたいになって戻った。死の世界からやっと辿り着いた」 80歳でエベレスト登頂に成功した三浦雄一郎さんが第2キャンプまで戻ってきた際、無事を伝える電話で漏らした一言だ。登山は下山こそ難しいとは言うが、なんとその壮絶さが凝縮された言葉か。 翻って、自由開業医制のわが国では、医師が独立開業して一国一城の病院長となり、規模拡大と高度化で地域一番の病院を擁することこそ、疑いなく、立身出世の定番の登頂ルートである。その頂きに立った理事長・病院長たちが今、こぞって厳しい「下山」を強いられようとしている。 業界用語で「ナナイチ」と言えば、入院基本料の最高峰に位置づけられる「7対1入院基本料」であり、あるいはそれを算定しているハイグレードな病院、いわゆる「7対1病院」のことを指す。看護体制が最も手厚く、平均在院日数が最も短く、重症患者の割合が

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