技術革新と製薬企業の明日
がん幹細胞標的薬の夢と現実
第34回
生島准
2013年5月15日号
大日本住友製薬が今年1月から米国とカナダで大腸がんを対象に第Ⅲ相試験を開始した新規抗がん剤「BBI608」が注目を集めている。この新薬にはがん幹細胞を殺傷し、がんの宿命と考えられていた再発を抑止する可能性がある。BBI608はボストンバイオメディカル(BBI)が創製した。同社は異なるメカニズムでがん幹細胞を殺傷するBBI503も第Ⅰ相に入っている。11年4月からBBI608のオプション契約を結んでいた大日本住友は、がん幹細胞治療薬という画期的な治療概念に惚れ込み、とうとう昨年4月には将来のロイヤルティの支払いも含め最大18億9000万ドルで完全買収するまでに至った。 がん幹細胞を標的とする抗がん剤は、それほど魅力的な治療概念なのだ。実際、文部科学省新学術領域研究化学療法基盤支援活動の調査によれば、13年1月現在で12種以上の抗がん剤ががん幹細胞を標的に臨床開発され...
大日本住友製薬が今年1月から米国とカナダで大腸がんを対象に第Ⅲ相試験を開始した新規抗がん剤「BBI608」が注目を集めている。この新薬にはがん幹細胞を殺傷し、がんの宿命と考えられていた再発を抑止する可能性がある。BBI608はボストンバイオメディカル(BBI)が創製した。同社は異なるメカニズムでがん幹細胞を殺傷するBBI503も第Ⅰ相に入っている。11年4月からBBI608のオプション契約を結んでいた大日本住友は、がん幹細胞治療薬という画期的な治療概念に惚れ込み、とうとう昨年4月には将来のロイヤルティの支払いも含め最大18億9000万ドルで完全買収するまでに至った。 がん幹細胞を標的とする抗がん剤は、それほど魅力的な治療概念なのだ。実際、文部科学省新学術領域研究化学療法基盤支援活動の調査によれば、13年1月現在で12種以上の抗がん剤ががん幹細胞を標的に臨床開発されてい
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