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OBSERVER

森下竜一・規制改革会議委員、内閣官房健康・医療戦略室参与

2013年5月1日号

 誰かが「得」する規制改革を ——規制改革会議が掲げる「革新的医薬品の薬価算定ルール等の見直し」について、どのような提言をイメージしていますか。 森下 革新的なメカニズムをもつ医薬品・医療機器に従来の枠を超えた価格設定を認めることを提案したいと思っている。現在の類似薬効比較方式や原価計算方式では、企業のモチベーションが高まるような価格はつけられない。 例えば、これまで何年間も治療が必要だった疾病に対し、根治や長期的な効果が見込める製品の登場によって、どれだけの医療費を節減できるのかも、薬価算定に反映されるべきではないか。日本製薬団体連合会が過去に提言した「類似治療比較方式」はまさに同じ問題意識に基づくものだ。 ただ、こうした枠組みを実現するには、新たな指標の設定や複雑な計算などが必要になる。私はもっとシンプルに、薬事承認時などに「イノ...  誰かが「得」する規制改革を ——規制改革会議が掲げる「革新的医薬品の薬価算定ルール等の見直し」について、どのような提言をイメージしていますか。 森下 革新的なメカニズムをもつ医薬品・医療機器に従来の枠を超えた価格設定を認めることを提案したいと思っている。現在の類似薬効比較方式や原価計算方式では、企業のモチベーションが高まるような価格はつけられない。 例えば、これまで何年間も治療が必要だった疾病に対し、根治や長期的な効果が見込める製品の登場によって、どれだけの医療費を節減できるのかも、薬価算定に反映されるべきではないか。日本製薬団体連合会が過去に提言した「類似治療比較方式」はまさに同じ問題意識に基づくものだ。 ただ、こうした枠組みを実現するには、新たな指標の設定や複雑な計算などが必要になる。私はもっとシンプルに、薬事承認時などに「イノベー

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