ガラパゴス化する日本の経済記事
外れっ放しの「助言」に振り回される経営者
2013年5月1日号
「経済部って、何のためにあるんだ?」 朝日新聞一の名文家として知られた河谷史夫氏はあるとき、筆者にこう尋ねてきたことがあった。自らは社会部に長く所属し、併せて、時の権力と是是非非の関係を続けながら密室の会話を公に伝えることに腐心する政治部も横目で見てきた氏にとって、経済部という社内組織の存在理由に関しては、腑に落ちる返答が誰からも得られていないように見受けられた。 「何のために」──。仮にそれを、日本を代表する経済紙・日本経済新聞の現役記者にぶつけてみて、即座に答えが返ってきたら、その記者はもぐりか、あるいは多忙と競争にかまけて何も考えていないかのどちらかだろう。 3月期決算企業の業績発表が小休止するゴールデンウイークの真ん中とはいえ、国内経済メディアの盟主に些か天に唾するようなテーマで語り始めたのはほかでもない。第2次安倍政権の発足以来...
「経済部って、何のためにあるんだ?」 朝日新聞一の名文家として知られた河谷史夫氏はあるとき、筆者にこう尋ねてきたことがあった。自らは社会部に長く所属し、併せて、時の権力と是是非非の関係を続けながら密室の会話を公に伝えることに腐心する政治部も横目で見てきた氏にとって、経済部という社内組織の存在理由に関しては、腑に落ちる返答が誰からも得られていないように見受けられた。 「何のために」──。仮にそれを、日本を代表する経済紙・日本経済新聞の現役記者にぶつけてみて、即座に答えが返ってきたら、その記者はもぐりか、あるいは多忙と競争にかまけて何も考えていないかのどちらかだろう。 3月期決算企業の業績発表が小休止するゴールデンウイークの真ん中とはいえ、国内経済メディアの盟主に些か天に唾するようなテーマで語り始めたのはほかでもない。第2次安倍政権の発足以来、
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