世界の医薬品業界
複雑化するメーカーの販売価格管理
医薬評論家 五條正也
2013年4月15日号
欧州では、薬価を決める際、参照国と決めた他国の平均薬価を用いる国が増え、最安値国から下位3ヵ国の平均を用いる国も出てきている。こうした国が増えたのは、失業率の高い国が多い欧州の経済状況から、「他国より高い薬価で支払うと、国民に対して説明責任が果たせない」という事情もあるだろう。参照しない場合でも、新製品について既存の後発品に対する付加的便益しか評価せず、なかなか高い薬価が付かない国もある。
また、ギリシャやスペインなど薬価の安い国からの並行輸入品もあるほか、国の薬剤費予算を上回る場合はメーカーの売上げに応じてリベートを支払わなければならない国も多い。従って、新薬メーカーは、どの製品をどの国で実売価格はいくらなのかを正確に把握することも難しい。欧州は各国ごとの価格が異なるので、もともと複雑だが、今回は米国の価格について考えてみたい。
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欧州では、薬価を決める際、参照国と決めた他国の平均薬価を用いる国が増え、最安値国から下位3ヵ国の平均を用いる国も出てきている。こうした国が増えたのは、失業率の高い国が多い欧州の経済状況から、「他国より高い薬価で支払うと、国民に対して説明責任が果たせない」という事情もあるだろう。参照しない場合でも、新製品について既存の後発品に対する付加的便益しか評価せず、なかなか高い薬価が付かない国もある。
また、ギリシャやスペインなど薬価の安い国からの並行輸入品もあるほか、国の薬剤費予算を上回る場合はメーカーの売上げに応じてリベートを支払わなければならない国も多い。従って、新薬メーカーは、どの製品をどの国で実売価格はいくらなのかを正確に把握することも難しい。欧州は各国ごとの価格が異なるので、もともと複雑だが、今回は米国の価格について考えてみたい。
米国
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