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いまさら聞けない生薬・漢方薬

漢方薬に関する医薬品情報

第9回

名古屋市立大学大学院薬学研究科生薬学分野 牧野利明

2013年4月1日号

 漢方薬に限らず、医薬品はモノとしての性質プラス情報のセットで理解しないといけないのですが、純物質からなる多くの西洋薬と異なり、漢方薬の場合はその特徴を踏まえていない医薬品情報が氾濫していますので、その目利きに注意が必要なときがあります。 まず、漢方薬のモノとしての性質の無理解から生まれる誤解を紹介します。 「葛根湯」と聞いたときに、何をイメージするでしょうか。多くの医師は、「医療用葛根湯エキス製剤」を思い浮かべるのではないでしょうか。「医療用葛根湯エキス製剤」には企業によって5つの処方構成パターンがありますので、ひとつのモノに確定できないのですが、それはさておき、「葛根湯」という表現が指示しているモノは、正しくは漢方エキス製剤のことではありません。この「医療用葛根湯エキス製剤」という名称には、わざわざ「エキス」というお湯で抽出したものと...  漢方薬に限らず、医薬品はモノとしての性質プラス情報のセットで理解しないといけないのですが、純物質からなる多くの西洋薬と異なり、漢方薬の場合はその特徴を踏まえていない医薬品情報が氾濫していますので、その目利きに注意が必要なときがあります。 まず、漢方薬のモノとしての性質の無理解から生まれる誤解を紹介します。 「葛根湯」と聞いたときに、何をイメージするでしょうか。多くの医師は、「医療用葛根湯エキス製剤」を思い浮かべるのではないでしょうか。「医療用葛根湯エキス製剤」には企業によって5つの処方構成パターンがありますので、ひとつのモノに確定できないのですが、それはさておき、「葛根湯」という表現が指示しているモノは、正しくは漢方エキス製剤のことではありません。この「医療用葛根湯エキス製剤」という名称には、わざわざ「エキス」というお湯で抽出したものとい

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