医薬経済オンライン

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経営学から見た医薬品

MBAコースで教える新しい薬利学

第6回

日本経済大学大学院教授 赤瀬朋秀

2013年4月1日号

 前回に引き続き漢方薬である。というのも、現在漢方製剤は臨床現場にかなり普及しており、その生産金額は漢方製剤として1422億円(11年薬事工業生産動態統計年報による)、5年前の水準(1168億円)と比較しても20%以上も伸びている。1剤で1000億円以上売り上げるARBなどと比較するのは馬鹿馬鹿しいが、それでも漢方薬の処方は伸びている。 しかし、漢方薬は、化学的性質の異なる多成分が体内で同時多発的に薬理作用を発現する極めて特殊な薬剤である。すなわち、多数の化合物群が消化管内から吸収され、各作用点で連続してスイッチをオンにしていく、そして生体内のタンパク質との相互作用が連鎖して薬理作用を起こしていく“複雑系”の医薬品である。それだけにその作用の詳細は未科学的で、なぜ微量の多成分が四散せずにシステムとして作用していくのかという点も完全に明らかにされ...  前回に引き続き漢方薬である。というのも、現在漢方製剤は臨床現場にかなり普及しており、その生産金額は漢方製剤として1422億円(11年薬事工業生産動態統計年報による)、5年前の水準(1168億円)と比較しても20%以上も伸びている。1剤で1000億円以上売り上げるARBなどと比較するのは馬鹿馬鹿しいが、それでも漢方薬の処方は伸びている。 しかし、漢方薬は、化学的性質の異なる多成分が体内で同時多発的に薬理作用を発現する極めて特殊な薬剤である。すなわち、多数の化合物群が消化管内から吸収され、各作用点で連続してスイッチをオンにしていく、そして生体内のタンパク質との相互作用が連鎖して薬理作用を起こしていく“複雑系”の医薬品である。それだけにその作用の詳細は未科学的で、なぜ微量の多成分が四散せずにシステムとして作用していくのかという点も完全に明らかにされてい

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