この国につけるクスリ 社会保障よもやま話
住所地特例
東京福祉大学・大学院教授 喜多村悦史
2013年4月1日号
わが国ではこんな不思議なことがある。現役時代からの経歴がほぼ同じの仲よし2人組、AとBがいたとしよう。高齢になり、それぞれ要支援認定を受けたことを機に、自宅を処分して同じ有料老人ホームに同時入居した。「これからもよろしく」と挨拶を交わしたのだが、2人の社会保険料(介護保険・国民健康保険)を見比べると、AはBの2倍以上も払っている。おかしい。公的年金も企業年金もほぼ同額で、お互いほかにこれといった収入源はない。今住んでいるところも同じ。なのに、なぜ?「おかしいではないか。君はインチキしているのか」とAはBに疑念を感じ、ついには仲違い……。 確かにAは納得がいかないだろうが、2人の保険料の差は施設入所前に住んでいた住所地に由来する。国保や介護保険の保険料は市町村によって相当のバラつきがあるが、たまたまAの住んでいた市の保険料がBの住んでいた市の2...
わが国ではこんな不思議なことがある。現役時代からの経歴がほぼ同じの仲よし2人組、AとBがいたとしよう。高齢になり、それぞれ要支援認定を受けたことを機に、自宅を処分して同じ有料老人ホームに同時入居した。「これからもよろしく」と挨拶を交わしたのだが、2人の社会保険料(介護保険・国民健康保険)を見比べると、AはBの2倍以上も払っている。おかしい。公的年金も企業年金もほぼ同額で、お互いほかにこれといった収入源はない。今住んでいるところも同じ。なのに、なぜ?「おかしいではないか。君はインチキしているのか」とAはBに疑念を感じ、ついには仲違い……。 確かにAは納得がいかないだろうが、2人の保険料の差は施設入所前に住んでいた住所地に由来する。国保や介護保険の保険料は市町村によって相当のバラつきがあるが、たまたまAの住んでいた市の保険料がBの住んでいた市の2倍
有料会員限定
会員登録(有料)
この記事をお読みいただくためには、会員登録(有料)が必要です。
新規会員登録とマイページ > 購読情報から購入手続きをお願いいたします。
※IDをお持ちの方はログインからお進みください
【会員登録方法】
会員登録をクリックしていただくと、新規会員仮登録メール送信画面に移動します。
メールアドレスを入力して会員登録をお願い致します。
1ユーザーごとの登録をお願い致します。(1ユーザー1アカウントです)
ログイン
会員登録