医薬経済オンライン

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技術革新と製薬企業の明日

抗体薬剤複合体の次「抗体誘導体」

第32回

生島准

2013年3月15日号

「この新薬はがんの化学療法を根底から変えてしまう」 米食品医薬品局(FDA)は2月22日、米ジェネンテックに対し、HER2陽性の転移性乳がん治療薬として「カドサイラ」(トラスツズマブエムタンシン、T—DM1)を承認した。冒頭の発言の主は、承認の根拠となった第Ⅲ相試験(EMILIA試験)成績(無増悪期間3.2ヵ月延長、対照であるラパチニブとカペシタビンの併用に比べ50%延長)と副作用報告を比べ見た乳がん専門医だ。がん化学療法には重篤な副作用が避け得ないという常識が、T—DM1の出現で崩れてしまった。 ジェネンテックのパートナーである中外製薬は1月29日、「T—DM1」(商品名もT—DM1)を転移・再発性乳がん治療薬として承認申請した。早ければ年内にも、日本の乳がん治療に革命を起こす新薬が誕生する。 T—DM1は2つの顔を持つ抗体薬剤複合体だ。乳がん細胞の表面に多... 「この新薬はがんの化学療法を根底から変えてしまう」 米食品医薬品局(FDA)は2月22日、米ジェネンテックに対し、HER2陽性の転移性乳がん治療薬として「カドサイラ」(トラスツズマブエムタンシン、T—DM1)を承認した。冒頭の発言の主は、承認の根拠となった第Ⅲ相試験(EMILIA試験)成績(無増悪期間3.2ヵ月延長、対照であるラパチニブとカペシタビンの併用に比べ50%延長)と副作用報告を比べ見た乳がん専門医だ。がん化学療法には重篤な副作用が避け得ないという常識が、T—DM1の出現で崩れてしまった。 ジェネンテックのパートナーである中外製薬は1月29日、「T—DM1」(商品名もT—DM1)を転移・再発性乳がん治療薬として承認申請した。早ければ年内にも、日本の乳がん治療に革命を起こす新薬が誕生する。 T—DM1は2つの顔を持つ抗体薬剤複合体だ。乳がん細胞の表面に多数出

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