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ワクチン悲喜こもごも

教員退職騒ぎと予防接種法改正の点と線

その5 財源で無力な厚労省

健康政策評論家 堀米叡一

2013年3月1日号

 公立校教員の駆け込み退職騒ぎを覚えているだろうか。官民格差是正のため、国が今年1月から国家公務員の退職金を3段階で削減し、最終的に約15%引き下げることとなったのに倣って、埼玉県が県職員退職金の段階的な減額を決めたところ、3月末の定年を待たずに1月末で教員100人以上が退職したというものだ。 「国に倣って」と書いたが、国が自治体に対して減額要請を行っており、その分の国庫補助金などを減らしている。騒ぎの後、厚生労働省健康局では「予防接種の交付金に回ってきた財源は、あれじゃないのか」との噂が流れたという。 厚労省は、通常国会に予防接種法改正案を提出する。これまで3年間任意接種ながら公費助成が行われていた子宮頸がん(HPV)、インフルエンザ菌b型(Hib)、小児用肺炎球菌の3ワクチンの定期接種化が最大の目玉だが、その前提となる財源について厚労、財務、総...  公立校教員の駆け込み退職騒ぎを覚えているだろうか。官民格差是正のため、国が今年1月から国家公務員の退職金を3段階で削減し、最終的に約15%引き下げることとなったのに倣って、埼玉県が県職員退職金の段階的な減額を決めたところ、3月末の定年を待たずに1月末で教員100人以上が退職したというものだ。 「国に倣って」と書いたが、国が自治体に対して減額要請を行っており、その分の国庫補助金などを減らしている。騒ぎの後、厚生労働省健康局では「予防接種の交付金に回ってきた財源は、あれじゃないのか」との噂が流れたという。 厚労省は、通常国会に予防接種法改正案を提出する。これまで3年間任意接種ながら公費助成が行われていた子宮頸がん(HPV)、インフルエンザ菌b型(Hib)、小児用肺炎球菌の3ワクチンの定期接種化が最大の目玉だが、その前提となる財源について厚労、財務、総務

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