From Local to Global 私と公衆衛生
科学コミュニケーションの重要性
第53回
日本尊厳死協会理事長 岩尾總一郎(元厚労省医政局長)
2013年3月1日号
福島原発事故は、世界中に大きな衝撃を与えた。各国政府がいずれも放射線被害の拡大予測の下に、自国民に東京からの退避、日本国外への脱出を指示した。
しかし、英国は正反対だった。「信頼される科学者集団が、できるだけ早く、社会に向かって発言する、明快なメッセージを投げる」という英国式科学コミュニケーションを行った。
早期の状況判断と即時発表だ。2年が経過した現在、英国政府の判断が間違っていなかったことが明らかとなった。
東日本大震災から4日後の11年3月15日、英国大使館のホームページに英国政府首席科学顧問ジョン・ベディントン教授による東京電力・福島第1原子力発電所事故に関するコメントが掲載された。(http://nkinjapan.fco.gpvuk/en/news/?view=News&id=566406782)
要約すると、「日本政府の指示はリスクに適切に対応している。今回の状況をチェルノブイ...
福島原発事故は、世界中に大きな衝撃を与えた。各国政府がいずれも放射線被害の拡大予測の下に、自国民に東京からの退避、日本国外への脱出を指示した。
しかし、英国は正反対だった。「信頼される科学者集団が、できるだけ早く、社会に向かって発言する、明快なメッセージを投げる」という英国式科学コミュニケーションを行った。
早期の状況判断と即時発表だ。2年が経過した現在、英国政府の判断が間違っていなかったことが明らかとなった。
東日本大震災から4日後の11年3月15日、英国大使館のホームページに英国政府首席科学顧問ジョン・ベディントン教授による東京電力・福島第1原子力発電所事故に関するコメントが掲載された。(http://nkinjapan.fco.gpvuk/en/news/?view=News&id=566406782)
要約すると、「日本政府の指示はリスクに適切に対応している。今回の状況をチェルノブイリ
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