武田薬品の変貌への期待と不安(後)
クレディスイス証券調査本部株式調査部ディレクター 酒井文義
2013年2月15日号
日本の株式市場が活況を呈してきた。今回の活況はアベノミクスによる経済対策、金融緩和と円安効果を先取りしたものというのがコンセンサスだろう。実体経済の厳しさに変わりはなく、個別企業の株価の上昇も期待と思惑先行という部分が大きい。その一方、13年度の企業収益は円安による押し上げ効果もあり全体で前年度比30%程度の増益との見方が強まっていることも事実だ。
こうしたマクロ主導の相場環境では医薬品セクターはほとんどの場合、株式市場のなかで取り残されることになる。ディフェンシブで安定的だが、変化率に乏しくマクロ環境が好転してもあまり恩恵を受けないためだ。こうしたなか今回は医薬品セクターの健闘ぶりが目立っている。武田も例外ではなくアステラス製薬や塩野義製薬と株価のパフォーマンスではトップグループを形成している。
では、株価は何を見ているのだろうか。筆...
日本の株式市場が活況を呈してきた。今回の活況はアベノミクスによる経済対策、金融緩和と円安効果を先取りしたものというのがコンセンサスだろう。実体経済の厳しさに変わりはなく、個別企業の株価の上昇も期待と思惑先行という部分が大きい。その一方、13年度の企業収益は円安による押し上げ効果もあり全体で前年度比30%程度の増益との見方が強まっていることも事実だ。
こうしたマクロ主導の相場環境では医薬品セクターはほとんどの場合、株式市場のなかで取り残されることになる。ディフェンシブで安定的だが、変化率に乏しくマクロ環境が好転してもあまり恩恵を受けないためだ。こうしたなか今回は医薬品セクターの健闘ぶりが目立っている。武田も例外ではなくアステラス製薬や塩野義製薬と株価のパフォーマンスではトップグループを形成している。
では、株価は何を見ているのだろうか。筆者
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