医薬経済オンライン

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世界の医薬品業界

米国の実売価格低下で市場が縮小

医薬評論家 五條正也

2013年2月15日号

 欧米製薬大手の12年決算が発表されているが、超大型品のパテントクリフの直撃を受けたファイザー、アストラゼネカ、イーライリリー、ブリストルマイヤーズスクイブの4社の医薬品売上高の合計額(表1参照)は、11年合計から▲172.5億ドルとなった。12年3月期の武田薬品の医療用医薬品の売上高1兆3588億円を当時の1ドル82円で換算すれば約166億ドルとなり、世界の医薬品市場から武田薬品1社分余りの売上げが消えた計算だ。 これだけ見ても推測できるように、世界の医薬品市場はすでに縮小し始めている。これは後発品の単価の下落が大きな理由であり、例えばオランダでは、外来医薬品の調剤1回1剤当たりの平均価格が過去15年間でほぼ半額となった。これでは処方が毎年数%増える程度で、市場が拡大するはずがない。新興国では国民1人当たりGDPが増えて保険でカバーされる人口や医薬品が増えると薬剤費...  欧米製薬大手の12年決算が発表されているが、超大型品のパテントクリフの直撃を受けたファイザー、アストラゼネカ、イーライリリー、ブリストルマイヤーズスクイブの4社の医薬品売上高の合計額(表1参照)は、11年合計から▲172.5億ドルとなった。12年3月期の武田薬品の医療用医薬品の売上高1兆3588億円を当時の1ドル82円で換算すれば約166億ドルとなり、世界の医薬品市場から武田薬品1社分余りの売上げが消えた計算だ。 これだけ見ても推測できるように、世界の医薬品市場はすでに縮小し始めている。これは後発品の単価の下落が大きな理由であり、例えばオランダでは、外来医薬品の調剤1回1剤当たりの平均価格が過去15年間でほぼ半額となった。これでは処方が毎年数%増える程度で、市場が拡大するはずがない。新興国では国民1人当たりGDPが増えて保険でカバーされる人口や医薬品が増えると薬剤費も増

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