眺望「医薬街道」
院内製剤の安全性確保を
近藤正觀
2013年2月15日号
製薬会社が製造する医薬品は不特定多数の患者を対象としたものであるので、患者の個体としての疾患の程度によって、薬剤が適合しない場合がある。そこで、とくに大学病院や基幹病院では、治療や診断のために必要であるにもかかわらず、上市(市販)されていない薬剤を院内で調整することがある。 これが「院内製剤」と呼ばれるもので、過去長期間にわたって、医療機関の院内で薬剤師によって調整され、医療現場ではなくてはならないものと認知されてきた。政府は自民党の藤井基之参議院議員の質問に対して、法令上特段の定義はないが、「病院内において、医師の指示のもとに使用することを目的として製造される医薬品」との見解を示している。 12年2月に名古屋大学附属病院産婦人科外来で、有効成分の含有が少ない院内製剤が調整されたことが発覚し、問題が顕在化した。 院内製剤は、調整した医療機...
製薬会社が製造する医薬品は不特定多数の患者を対象としたものであるので、患者の個体としての疾患の程度によって、薬剤が適合しない場合がある。そこで、とくに大学病院や基幹病院では、治療や診断のために必要であるにもかかわらず、上市(市販)されていない薬剤を院内で調整することがある。 これが「院内製剤」と呼ばれるもので、過去長期間にわたって、医療機関の院内で薬剤師によって調整され、医療現場ではなくてはならないものと認知されてきた。政府は自民党の藤井基之参議院議員の質問に対して、法令上特段の定義はないが、「病院内において、医師の指示のもとに使用することを目的として製造される医薬品」との見解を示している。 12年2月に名古屋大学附属病院産婦人科外来で、有効成分の含有が少ない院内製剤が調整されたことが発覚し、問題が顕在化した。 院内製剤は、調整した医療機関
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