武田薬品の変貌への期待と不安(前)
クレディスイス証券調査本部株式調査部ディレクター 酒井文義
2013年2月1日号
昨年10月30日に開催された武田薬品工業の12年度中間決算説明会の席上、長谷川閑史社長は中期経営計画の最終年度に当たる14年度までに、同社の売上高営業利益率を20%へ引き上げると発言した。中間決算時点での営業利益率は14%にとどまっており、これを今後2期間で6%改善するということである。ちなみに、14年度の中期経営計画で掲げた目標は、「売上高1兆7000億円、営業利益2400億円、営業利益率14%」だった。つまり、営業利益率を20%まで引き上げるということは、利益をさらに1000億円上積みして3400億円まで増加させることになる。投資家や市場関係者には好感される発言であったことは間違いない。
収益回復へ向けて武田薬品がやっと一歩前へ踏み出したわけであるが、「営業利益率20%」は決して満足できる水準ではない。
そもそもピーク時の06年度の営業利益率は35%に達していた。それ以...
昨年10月30日に開催された武田薬品工業の12年度中間決算説明会の席上、長谷川閑史社長は中期経営計画の最終年度に当たる14年度までに、同社の売上高営業利益率を20%へ引き上げると発言した。中間決算時点での営業利益率は14%にとどまっており、これを今後2期間で6%改善するということである。ちなみに、14年度の中期経営計画で掲げた目標は、「売上高1兆7000億円、営業利益2400億円、営業利益率14%」だった。つまり、営業利益率を20%まで引き上げるということは、利益をさらに1000億円上積みして3400億円まで増加させることになる。投資家や市場関係者には好感される発言であったことは間違いない。
収益回復へ向けて武田薬品がやっと一歩前へ踏み出したわけであるが、「営業利益率20%」は決して満足できる水準ではない。
そもそもピーク時の06年度の営業利益率は35%に達していた。それ以降は
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