OUTLOOK・欧米のMR事情
医薬品マーケティングの改革(上)
第277回
デルファイ・マネジメント・コンサルタント(DMC)社 植田南人
2013年1月15日号
米国では、オバマ大統領が医療改革を試みてPPACA(患者保護並びに医療費負担適正化法)を提案していたが、共和党がこの政策は憲法違反だと訴えていた。そして昨年6月、米国最高裁がPPACAを支持する判決を出したことで、製薬会社は、従来保険を持たなかった少なくとも3200万人の新しい顧客を得るというよいニュースがあった。確かに顧客が増えるのはよいことだ。しかし製薬会社は、コスト増と新しい顧客に対処しながら古くからの顧客をしっかりと維持することなどの必要に迫られており、マーケティングの改革の必要性が出ている。このテーマをベックベイ・ライフサイエンスアドバイザー社のグレッグ・リピエントロ氏が12年10月のファーマエグゼクティブ誌に小論を掲載したので検証したい。 まずは、ターゲティングの変化だ。15年前までは医薬品マーケティングのモデルは、医師が基本的には唯...
米国では、オバマ大統領が医療改革を試みてPPACA(患者保護並びに医療費負担適正化法)を提案していたが、共和党がこの政策は憲法違反だと訴えていた。そして昨年6月、米国最高裁がPPACAを支持する判決を出したことで、製薬会社は、従来保険を持たなかった少なくとも3200万人の新しい顧客を得るというよいニュースがあった。確かに顧客が増えるのはよいことだ。しかし製薬会社は、コスト増と新しい顧客に対処しながら古くからの顧客をしっかりと維持することなどの必要に迫られており、マーケティングの改革の必要性が出ている。このテーマをベックベイ・ライフサイエンスアドバイザー社のグレッグ・リピエントロ氏が12年10月のファーマエグゼクティブ誌に小論を掲載したので検証したい。 まずは、ターゲティングの変化だ。15年前までは医薬品マーケティングのモデルは、医師が基本的には唯一
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