自己負担引き上げの「時が来た」
70歳代前半の優遇ぶり強調、受診抑制の議論は置き去り
2012年12月15日号
思い起こせば、それは自民党安倍晋三総裁の首相辞任を機に持ち上がった話だった。70〜74歳の医療費自己負担割合を、法定の2割に引き上げず1割に「凍結」するという、特例措置の話である。 年金記録問題や小泉構造改革に伴う格差拡大批判で07年参院選に惨敗、「ねじれ国会」に窮した安倍氏は、所信表明演説の2日後、代表質問の直前に突如退陣を表明した。その後の混迷のなか、総裁選に立候補して次期首相の座につく福田康夫氏が、公約として打ち出したもののひとつが「高齢者の医療費負担増の凍結」である。負担増凍結は、連立相手となる公明党が強く望んだものだった。 高齢者医療の自己負担は、翌08年4月から70〜74歳について1割から2割に引き上げられることが、すでに決まっていた。が、国民への「きめ細かな対応に努める」(福田首相)ため、2000億円の予算措置を講じて負担増のタイミングを若干...
思い起こせば、それは自民党安倍晋三総裁の首相辞任を機に持ち上がった話だった。70〜74歳の医療費自己負担割合を、法定の2割に引き上げず1割に「凍結」するという、特例措置の話である。 年金記録問題や小泉構造改革に伴う格差拡大批判で07年参院選に惨敗、「ねじれ国会」に窮した安倍氏は、所信表明演説の2日後、代表質問の直前に突如退陣を表明した。その後の混迷のなか、総裁選に立候補して次期首相の座につく福田康夫氏が、公約として打ち出したもののひとつが「高齢者の医療費負担増の凍結」である。負担増凍結は、連立相手となる公明党が強く望んだものだった。 高齢者医療の自己負担は、翌08年4月から70〜74歳について1割から2割に引き上げられることが、すでに決まっていた。が、国民への「きめ細かな対応に努める」(福田首相)ため、2000億円の予算措置を講じて負担増のタイミングを若干遅ら
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