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海外時報

“失望”を避ける価格戦略の重要性

「ザルトラップ」、発売2ヵ月で薬価半減

2012年12月15日号

 この秋、抗がん剤新薬の価格を巡って、米国医薬品市場では希有な展開があった。サノフィが大腸がん治療薬「ザルトラップ」(一般名=アフリベルセプト)の薬価を“自主的”に半額に下げたのだ。月1.1万ドル、年間10万ドルを超える売り出し価格は、政府介入ではなく、「市場の抵抗」によって発売から2ヵ月半、オバマ大統領の再選が決まった直後、50%引きで提供することを強いられた。  きっかけは、メモリアル・スローン・ケタリングがんセンターの専門医3人によるニューヨーク・タイムズへの投稿だった。この名門病院は「法外な価格」の新薬を処方薬リストに載せないと報告しつつ、高額化する抗がん剤の負担に喘ぐ患者の姿を紹介した。  4日後には米国臨床腫瘍学会(ASCO)のサンドラ・スワイン会長も意見を寄せた。「最高のがん医療が、いつも最も高額である必要はないと肝に銘じるべきだ」と、...  この秋、抗がん剤新薬の価格を巡って、米国医薬品市場では希有な展開があった。サノフィが大腸がん治療薬「ザルトラップ」(一般名=アフリベルセプト)の薬価を“自主的”に半額に下げたのだ。月1.1万ドル、年間10万ドルを超える売り出し価格は、政府介入ではなく、「市場の抵抗」によって発売から2ヵ月半、オバマ大統領の再選が決まった直後、50%引きで提供することを強いられた。  きっかけは、メモリアル・スローン・ケタリングがんセンターの専門医3人によるニューヨーク・タイムズへの投稿だった。この名門病院は「法外な価格」の新薬を処方薬リストに載せないと報告しつつ、高額化する抗がん剤の負担に喘ぐ患者の姿を紹介した。  4日後には米国臨床腫瘍学会(ASCO)のサンドラ・スワイン会長も意見を寄せた。「最高のがん医療が、いつも最も高額である必要はないと肝に銘じるべきだ」と、腫

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