ワクチン悲喜こもごも
178億円の補助金返還
その4 やはり“詰んでる”厚労省
健康政策評論家 堀米叡一
2012年12月15日号
11月22日、ニュースの話題が解散総選挙一色へと変わりつつあったため世間の注目は集めなかったが、業界にとっては驚天動地のことが起こった。大阪大学微生物病研究会(ビケン)が新型インフルエンザワクチンの開発を中止し、交付済みの補助金約178億円を全額返済することになった、と厚生労働省が発表したのだ。これほど巨額の補助金返済は前代未聞のことだ。
この補助金事業は、新型インフルエンザのパンデミックに備えて、全国民が接種できる量のワクチンを半年で国内生産できるよう、生産設備などを13年度中に整備しようというもの。09年、ブタ由来新型インフルエンザが発生・流行した際に国産ワクチンが足りず輸入せざるを得なくなったことから、厚労省と政権喪失直前の与党・自民党とが一体となって枠組みを決めた事業だった。
従来のインフルエンザワクチンは発育鶏卵でウイルスを培養、製...
11月22日、ニュースの話題が解散総選挙一色へと変わりつつあったため世間の注目は集めなかったが、業界にとっては驚天動地のことが起こった。大阪大学微生物病研究会(ビケン)が新型インフルエンザワクチンの開発を中止し、交付済みの補助金約178億円を全額返済することになった、と厚生労働省が発表したのだ。これほど巨額の補助金返済は前代未聞のことだ。
この補助金事業は、新型インフルエンザのパンデミックに備えて、全国民が接種できる量のワクチンを半年で国内生産できるよう、生産設備などを13年度中に整備しようというもの。09年、ブタ由来新型インフルエンザが発生・流行した際に国産ワクチンが足りず輸入せざるを得なくなったことから、厚労省と政権喪失直前の与党・自民党とが一体となって枠組みを決めた事業だった。
従来のインフルエンザワクチンは発育鶏卵でウイルスを培養、製造さ
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