医薬経済オンライン

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技術革新と製薬企業の明日

最重要のノーベル化学賞受賞研究

第29回

生島准

2012年12月15日号

 京都大学iPS細胞研究所の山中伸弥教授のノーベル医学生理学賞受賞で、日本はまさにiPS細胞ブームにある。 その騒動の陰に隠れて目立たなかったが、製薬産業に即効的かつ強力なインパクトを与える技術突破に、今年のノーベル化学賞が与えられたことを、見逃してはならない。この技術突破によって、バイオ医薬に押され気味だった低分子化合物の復権が可能となる期待も膨らむ。バイオベンチャーにここ20年間押しまくられていた製薬企業も、逆襲の手掛かりをとうとう掴んだのだ。 受賞者の米デューク大学のロバート・レフコウィッツ教授と米スタンフォード大学のブライアン・コビルカ教授の研究、細胞膜の表面にあるGたんぱく質供役型受容体(GPCR)である。 GPCRは細胞が体外から情報を受け取る窓口である。たんぱく質や脂質など低分子と結合し、細胞の増殖や活性化を調節している。製...  京都大学iPS細胞研究所の山中伸弥教授のノーベル医学生理学賞受賞で、日本はまさにiPS細胞ブームにある。 その騒動の陰に隠れて目立たなかったが、製薬産業に即効的かつ強力なインパクトを与える技術突破に、今年のノーベル化学賞が与えられたことを、見逃してはならない。この技術突破によって、バイオ医薬に押され気味だった低分子化合物の復権が可能となる期待も膨らむ。バイオベンチャーにここ20年間押しまくられていた製薬企業も、逆襲の手掛かりをとうとう掴んだのだ。 受賞者の米デューク大学のロバート・レフコウィッツ教授と米スタンフォード大学のブライアン・コビルカ教授の研究、細胞膜の表面にあるGたんぱく質供役型受容体(GPCR)である。 GPCRは細胞が体外から情報を受け取る窓口である。たんぱく質や脂質など低分子と結合し、細胞の増殖や活性化を調節している。製薬産

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