医薬経済オンライン

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iPS細胞の「難敵」医療保険

HTA導入議論の加速化も

2012年12月1日号

 京都大学教授の山中伸弥氏らが開発に成功し、ノーベル医学生理賞の受賞に結びついたヒトiPS細胞(人工多能性幹細胞)は再生医療に大きな進歩をもたらすだろう。多くの難病を治癒することが見込まれ、臨床応用へ向けた官民の動きも活発になってきた。だが、一方で実用化の暁には莫大な医療費がかかる。厚生労働省保険局は早くも頭を痛めており、「万能細胞」が現行の医療保険制度を根底から揺さぶる可能性もある。 11月17日。東京都内であった社会保障の持続可能性の向上策を探るシンポジウムで、パネリストとして出席した国際医療福祉大学の矢崎義雄総長は山中氏の功績を称えた後、こう言い添えた。 「iPS細胞の臨床応用について、医療保険財政面の議論が一切なされていないのはどうかと思います。(莫大な医療費がかかるのは確実なので)厚生労働省は悪夢だと思っていますよ」 高い増殖能力...  京都大学教授の山中伸弥氏らが開発に成功し、ノーベル医学生理賞の受賞に結びついたヒトiPS細胞(人工多能性幹細胞)は再生医療に大きな進歩をもたらすだろう。多くの難病を治癒することが見込まれ、臨床応用へ向けた官民の動きも活発になってきた。だが、一方で実用化の暁には莫大な医療費がかかる。厚生労働省保険局は早くも頭を痛めており、「万能細胞」が現行の医療保険制度を根底から揺さぶる可能性もある。 11月17日。東京都内であった社会保障の持続可能性の向上策を探るシンポジウムで、パネリストとして出席した国際医療福祉大学の矢崎義雄総長は山中氏の功績を称えた後、こう言い添えた。 「iPS細胞の臨床応用について、医療保険財政面の議論が一切なされていないのはどうかと思います。(莫大な医療費がかかるのは確実なので)厚生労働省は悪夢だと思っていますよ」 高い増殖能力、

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