医薬経済オンライン

医療・医薬業界をさまざまな視点・論点から示すメディア

国内各社のがん戦略を見る

変化を先取りできなかった日本企業

第1回

2012年12月1日号

 がんは個別化医療を応用すべき疾患である。言い換えれば多様性、標的に対する高い特異性と強い親和性を持つ抗体医薬の特徴を生かせる疾病である。しかし、多くの日本企業は、抗体医薬の研究開発を止めてしまった。抗体の開発を諦めた日本企業は、抗がん剤(主にがんに関与する分子を標的にする薬剤)の開発を諦めたに等しい。それでも抗体医薬に可能性を見い出していた企業もあった。ひとつは日本たばこ産業(JT)である。 米セルジェネシスは、ヒト抗体生産のための動物の開発部門を本体から切り離し、96年に米アブジェニクスを設立した。JTは、このアブジェニクスとゼノテックという合弁会社をつくる。ゼノテックでは、ヒト抗体産生マウス「ゼノマウス」の研究開発が行われていた。しかし、JTはこのプロジクトを中止し、99年12月にわずか4700万ドルでゼノテックの株式をアブジェニクスに譲渡...  がんは個別化医療を応用すべき疾患である。言い換えれば多様性、標的に対する高い特異性と強い親和性を持つ抗体医薬の特徴を生かせる疾病である。しかし、多くの日本企業は、抗体医薬の研究開発を止めてしまった。抗体の開発を諦めた日本企業は、抗がん剤(主にがんに関与する分子を標的にする薬剤)の開発を諦めたに等しい。それでも抗体医薬に可能性を見い出していた企業もあった。ひとつは日本たばこ産業(JT)である。 米セルジェネシスは、ヒト抗体生産のための動物の開発部門を本体から切り離し、96年に米アブジェニクスを設立した。JTは、このアブジェニクスとゼノテックという合弁会社をつくる。ゼノテックでは、ヒト抗体産生マウス「ゼノマウス」の研究開発が行われていた。しかし、JTはこのプロジクトを中止し、99年12月にわずか4700万ドルでゼノテックの株式をアブジェニクスに譲渡し

有料会員限定

会員登録(有料)
この記事をお読みいただくためには、会員登録(有料)が必要です。
新規会員登録とマイページ > 購読情報から購入手続きをお願いいたします。
※IDをお持ちの方はログインからお進みください

【会員登録方法】
会員登録をクリックしていただくと、新規会員仮登録メール送信画面に移動します。
メールアドレスを入力して会員登録をお願い致します。
1ユーザーごとの登録をお願い致します。(1ユーザー1アカウントです)

googleAdScence