医薬経済オンライン

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バイオ薬受託製造に賭ける東洋紡

積極投資で「t─PA」の雪辱果たせるか

東京福祉大学・大学院教授 喜多村悦史

2012年12月1日号

 「石橋を叩いているうちに時を逃がす」。そう自社の風土を自嘲するのは明治以来の繊維の名門・東洋紡の大阪本社に勤める中堅社員だ。さる10月1日に同社は、正式社名を東洋紡績から、通称として長く使われてきた東洋紡へと改めた。鐘淵紡績(後のカネボウ)、大日本紡績(現ユニチカ)と並ぶ「三大紡」と謳われたのは1世紀も前の話。合成繊維を含む衣料繊維事業の売上高が初めて連結売上高の半分以下となった03年3月期から数えても、10年近くが経過してからの決断だった。 リーマンショックを筆頭とする業績の攪乱要因がひっきりなしに襲うなか、直接的な利益を産まない社名変更に慎重に臨んだのはわかるにしても、好むと好まざるとに関わらず「スピード経営」が求められる今日。東洋紡が見せる独自の時間軸に基づく古典的な経営スタイルは、同じ繊維系他社と比べても異色だ。結果、往々にして、せっ...  「石橋を叩いているうちに時を逃がす」。そう自社の風土を自嘲するのは明治以来の繊維の名門・東洋紡の大阪本社に勤める中堅社員だ。さる10月1日に同社は、正式社名を東洋紡績から、通称として長く使われてきた東洋紡へと改めた。鐘淵紡績(後のカネボウ)、大日本紡績(現ユニチカ)と並ぶ「三大紡」と謳われたのは1世紀も前の話。合成繊維を含む衣料繊維事業の売上高が初めて連結売上高の半分以下となった03年3月期から数えても、10年近くが経過してからの決断だった。 リーマンショックを筆頭とする業績の攪乱要因がひっきりなしに襲うなか、直接的な利益を産まない社名変更に慎重に臨んだのはわかるにしても、好むと好まざるとに関わらず「スピード経営」が求められる今日。東洋紡が見せる独自の時間軸に基づく古典的な経営スタイルは、同じ繊維系他社と比べても異色だ。結果、往々にして、せっかく

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