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審査建言

医療技術評価を医療の質向上にどう活かすか

医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス財団理事長 土井脩

2012年12月1日号

 日本でも医療技術の経済評価の導入が現実味を帯びて議論されるようになってきた。医療技術評価(HTA)については、日本では違和感を感ずる向きが多いが、このような考え方は日本にとっても決して異質のものではなく、現在の医療保険制度のなかに潜在的に導入されている。 また、欧米がHTAに動き出した90年代前半でも、当時の厚生省は製薬企業に対して、開発や承認申請時にはコスト&ベネフィットについても考慮するよう要請したほか、薬価収載申請時に参考的に医療経済学的評価(費用対効果評価)結果を提出する路を開いている。よりよい医療技術をより効果的に医療の場に提供するための試みを行ってきているのだ。 90年代の前半には、日本は世界の医薬品市場の約25%を占めていた。医療費も20兆円を超え、毎年1兆円程度が増加しているなかで、30%近くを占めていた薬剤比率の高さが常に問題...  日本でも医療技術の経済評価の導入が現実味を帯びて議論されるようになってきた。医療技術評価(HTA)については、日本では違和感を感ずる向きが多いが、このような考え方は日本にとっても決して異質のものではなく、現在の医療保険制度のなかに潜在的に導入されている。 また、欧米がHTAに動き出した90年代前半でも、当時の厚生省は製薬企業に対して、開発や承認申請時にはコスト&ベネフィットについても考慮するよう要請したほか、薬価収載申請時に参考的に医療経済学的評価(費用対効果評価)結果を提出する路を開いている。よりよい医療技術をより効果的に医療の場に提供するための試みを行ってきているのだ。 90年代の前半には、日本は世界の医薬品市場の約25%を占めていた。医療費も20兆円を超え、毎年1兆円程度が増加しているなかで、30%近くを占めていた薬剤比率の高さが常に問題とさ

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