経営学から見た医薬品
MBAコースで教える新しい薬利学
第2回
日本経済大学大学院教授 赤瀬朋秀
2012年12月1日号
引き続き、薬価差益について若干の知見を述べさせていただきたい。その前に、医療機関での医薬品の価格交渉について、その歴史的経緯を説明しなければならない。 医療機関でのクスリの価格交渉の転換期は92年、医療機関が製薬企業と納入価を直接交渉し価格を決定する従来のシステムが「独占禁止法に抵触する」として、新仕切価制度(建値制度)が導入されてからである。それまでは、製薬企業のプロパー(現MR)が電卓片手に薬剤部門長に交渉をして、納入価を決定していた。現在からは想像がつかないかもしれないが、当時の薬剤部門長の重要なミッションのひとつに“いかにクスリを安く入れるか”があり、密室での交渉も是とされていた。しかし、新仕切価制度の導入以降、医薬品の納入価は医薬品卸が交渉窓口を担当し、製薬企業は納入価に関する交渉はできなくなった。 新制度の導入で、...
引き続き、薬価差益について若干の知見を述べさせていただきたい。その前に、医療機関での医薬品の価格交渉について、その歴史的経緯を説明しなければならない。 医療機関でのクスリの価格交渉の転換期は92年、医療機関が製薬企業と納入価を直接交渉し価格を決定する従来のシステムが「独占禁止法に抵触する」として、新仕切価制度(建値制度)が導入されてからである。それまでは、製薬企業のプロパー(現MR)が電卓片手に薬剤部門長に交渉をして、納入価を決定していた。現在からは想像がつかないかもしれないが、当時の薬剤部門長の重要なミッションのひとつに“いかにクスリを安く入れるか”があり、密室での交渉も是とされていた。しかし、新仕切価制度の導入以降、医薬品の納入価は医薬品卸が交渉窓口を担当し、製薬企業は納入価に関する交渉はできなくなった。 新制度の導入で、医療
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