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一時の熱狂にしてはならない

2012年11月1日号

 京都大学の山中伸弥教授が、日本人として25年ぶり2人目のノーベル生理学・医学賞を受賞した。山中教授らが世界で初めてヒトのiPS細胞を開発してから、世界中で応用研究が、予想以上のスピードで進展している。この偉業は誰も異論のないところだろう。 筆者は、この受賞について決して水を差すつもりはないが、受賞が伝えられた直後のマスコミや学会、専門家、関連業界、行政や政治家などの称賛の嵐と国民的熱狂にある種の危うさを感じた。 まずiPS細胞を用いた技術では、未だ1人の患者すら治療・治癒・救済はしていない。心筋シート、人工軟骨、培養皮膚、網膜など、近い将来広く実用化され普及するであろう技術はいくつか見られているが、具体的な成果は乏しいのが現実だ。iPS細胞を応用した新医療技術や関連製品が実際の医療現場に届くのに、早くても5年程度はかかるだろう。さらに再生医...  京都大学の山中伸弥教授が、日本人として25年ぶり2人目のノーベル生理学・医学賞を受賞した。山中教授らが世界で初めてヒトのiPS細胞を開発してから、世界中で応用研究が、予想以上のスピードで進展している。この偉業は誰も異論のないところだろう。 筆者は、この受賞について決して水を差すつもりはないが、受賞が伝えられた直後のマスコミや学会、専門家、関連業界、行政や政治家などの称賛の嵐と国民的熱狂にある種の危うさを感じた。 まずiPS細胞を用いた技術では、未だ1人の患者すら治療・治癒・救済はしていない。心筋シート、人工軟骨、培養皮膚、網膜など、近い将来広く実用化され普及するであろう技術はいくつか見られているが、具体的な成果は乏しいのが現実だ。iPS細胞を応用した新医療技術や関連製品が実際の医療現場に届くのに、早くても5年程度はかかるだろう。さらに再生医療

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