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From Local to Global 私と公衆衛生

「終の信託」—終末期医療とリビングウィル

日本尊厳死協会理事長 岩尾總一郎(元厚労省医政局長)

2012年11月1日号

 10月27日から劇場公開された映画「終の信託」を読者はご覧になっただろうか。周防正行監督、草刈民代、役所広司主演という「Shall weダンス?」以来16年ぶりの組み合わせに、前評判が高い。 98年に起きた女性医師による川崎協同病院事件の「安楽死」を素材にした同名の小説が原作だが、訴訟の公判を全回傍聴し、つぶさに記録した尊厳死協会会員からは「ラブストーリーになっており、違和感がある」という報告が来た。 ただ、この映画を見ていただいたら、終末期の医療において「終の信託」、つまり最期の意思を誰に託すか、リビングウィルの法制化がいかに重要か理解いただけるのではないかと思う。 「終の信託」での草刈民代の行為、終末期に医師が積極的に関与して患者を死なせる行為(安楽死)は、日本では違法だ。だが、世界では安楽死を合法化している国がある。オランダでは01年4月、「要請...  10月27日から劇場公開された映画「終の信託」を読者はご覧になっただろうか。周防正行監督、草刈民代、役所広司主演という「Shall weダンス?」以来16年ぶりの組み合わせに、前評判が高い。 98年に起きた女性医師による川崎協同病院事件の「安楽死」を素材にした同名の小説が原作だが、訴訟の公判を全回傍聴し、つぶさに記録した尊厳死協会会員からは「ラブストーリーになっており、違和感がある」という報告が来た。 ただ、この映画を見ていただいたら、終末期の医療において「終の信託」、つまり最期の意思を誰に託すか、リビングウィルの法制化がいかに重要か理解いただけるのではないかと思う。 「終の信託」での草刈民代の行為、終末期に医師が積極的に関与して患者を死なせる行為(安楽死)は、日本では違法だ。だが、世界では安楽死を合法化している国がある。オランダでは01年4月、「要請によ

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