時流遡航
真の国士と呼ばれるためには
ジャーナリスト 本田成親
2012年11月1日号
今年4月、石原慎太郎東京都知事は米国ワシントンで講演し、「尖閣諸島は東京都が買う。日本人が日本の国土を買うことに何か文句がありますか」と述べた。9月には、「あんな国の属国となるくらいなら、経済なんかどうなってもいい」(9月13日付朝日)とも公言した。「愛国者」を標榜する都知事からすれば、その発言に違和感を抱く筆者のような人間は非国民の最たる者だろう。だが、愚かなこの身にも言い分はある。「真の国士」だと言うなら、石原氏には、米国に渡って尖閣問題を訴えるよりも、直接に中国へと出向いて政府の要人と正面から向き合い、相手の意見にも耳を傾けながら、堂々とその持論を展開してもらいたかった。「南京事件はなかった」とするかねてからの同氏の主張などについても、中国側の論客と対峙しながら、舌鋒鋭くその論拠を提示してもらいたかった。
米ヘリテージ財団で講...
今年4月、石原慎太郎東京都知事は米国ワシントンで講演し、「尖閣諸島は東京都が買う。日本人が日本の国土を買うことに何か文句がありますか」と述べた。9月には、「あんな国の属国となるくらいなら、経済なんかどうなってもいい」(9月13日付朝日)とも公言した。「愛国者」を標榜する都知事からすれば、その発言に違和感を抱く筆者のような人間は非国民の最たる者だろう。だが、愚かなこの身にも言い分はある。「真の国士」だと言うなら、石原氏には、米国に渡って尖閣問題を訴えるよりも、直接に中国へと出向いて政府の要人と正面から向き合い、相手の意見にも耳を傾けながら、堂々とその持論を展開してもらいたかった。「南京事件はなかった」とするかねてからの同氏の主張などについても、中国側の論客と対峙しながら、舌鋒鋭くその論拠を提示してもらいたかった。
米ヘリテージ財団で講演
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