医薬経済オンライン

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技術革新と製薬企業の明日

樹状細胞ワクチンに技術突破の可能性

第27回

生島准

2012年10月15日号

スタインマン教授逝去のため受賞記者会見は同僚が代理で説明した。(ノーベル財団) 今年のノーベル生理学・医学賞は京都大学の山中信弥教授が受賞し話題を呼んだが、昨年の受賞者、ラルフ・スタインマン米ロックフェラー大学教授ほど話題を呼んだ受賞者はいない。生存者であることが絶対条件のノーベル賞が、初めて死者に贈られたためだ。ノーベル財団とスウェーデンのカロリンスカ研究所の協議の結果、受賞を決定した時点での生存を確認、異例の授賞となったのだ。 スタインマン教授は、07年に膵臓がんと診断されていた。通常、診断から半年で大部分の患者が死亡する膵臓がんで、4年間も生存できたのには秘密がある。 ノーベル賞の受賞理由は樹状細胞の発見だ。樹状細胞は皮膚や消化管、リンパ節などに存在する。まるでアメーバのように偽足を伸ばし、盛んに細菌やがんなどの異物を貪食する。だが、... スタインマン教授逝去のため受賞記者会見は同僚が代理で説明した。(ノーベル財団) 今年のノーベル生理学・医学賞は京都大学の山中信弥教授が受賞し話題を呼んだが、昨年の受賞者、ラルフ・スタインマン米ロックフェラー大学教授ほど話題を呼んだ受賞者はいない。生存者であることが絶対条件のノーベル賞が、初めて死者に贈られたためだ。ノーベル財団とスウェーデンのカロリンスカ研究所の協議の結果、受賞を決定した時点での生存を確認、異例の授賞となったのだ。 スタインマン教授は、07年に膵臓がんと診断されていた。通常、診断から半年で大部分の患者が死亡する膵臓がんで、4年間も生存できたのには秘密がある。 ノーベル賞の受賞理由は樹状細胞の発見だ。樹状細胞は皮膚や消化管、リンパ節などに存在する。まるでアメーバのように偽足を伸ばし、盛んに細菌やがんなどの異物を貪食する。だが、樹

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