少数派経済観測
早く、早くTPPを!
第6回
国際エコノミスト 今井澂
2012年10月1日号
今ここ3年余り、日本の政治は立ち止まり、世界の急速な変化に対しほとんど何もしなかった。理由はいくつもあるが、時間を空費したことは「国損」だった。 やっと、3党合意で消費税増税が決まったが、まだ決めなくてはならないことがある。原発、そして今回のテーマ、TPPだ。 つい先日、ウラジオストクで開かれたAPEC首脳会議で、TPP交渉参加国の会議に日本は呼ばれなかった。TPP提唱国で日本にエールを送り続けたシンガポールのリー・シェンロン首相も、野田首相との会談でTPPに言及さえしなかった。日本が態度を保留している間にカナダとメキシコは正式参加。日本の出遅れ感があまりにも鮮明だ。これでいいのか。 私は永い間、この種の「日本開放」で国論が二分されるのを見てきた。60年代のGATTとIMF加盟、70年代の円切り上げ、80年代の日米経済摩擦、そして90年代のウル...
今ここ3年余り、日本の政治は立ち止まり、世界の急速な変化に対しほとんど何もしなかった。理由はいくつもあるが、時間を空費したことは「国損」だった。 やっと、3党合意で消費税増税が決まったが、まだ決めなくてはならないことがある。原発、そして今回のテーマ、TPPだ。 つい先日、ウラジオストクで開かれたAPEC首脳会議で、TPP交渉参加国の会議に日本は呼ばれなかった。TPP提唱国で日本にエールを送り続けたシンガポールのリー・シェンロン首相も、野田首相との会談でTPPに言及さえしなかった。日本が態度を保留している間にカナダとメキシコは正式参加。日本の出遅れ感があまりにも鮮明だ。これでいいのか。 私は永い間、この種の「日本開放」で国論が二分されるのを見てきた。60年代のGATTとIMF加盟、70年代の円切り上げ、80年代の日米経済摩擦、そして90年代のウルグア
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