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この国につけるクスリ 社会保障よもやま話

難病の医療費助成

東京福祉大学・大学院教授 喜多村悦史

2012年10月1日号

 難病の医療費自己負担を公費で助成する制度が見直されることになりそうだ。助成対象となる疾患の範囲を拡大しつつ、治療成績が向上した疾患について、助成継続か打ち切りかを定期的に検証するのだという。厚生労働省の難病対策委員会が今年8月、そうした趣旨の中間報告をまとめた。 難病の定義は、72年の厚生省(当時)の「難病対策要綱」によれば、「①原因不明、治療方針未確定であり、かつ、後遺症を残す恐れが少なくない疾病、②経過が慢性にわたり、単に経済的な問題のみならず介護等に著しく人手を要するために家族の負担が重く、また精神的にも負担の大きい疾病」とされている。 こうした患者・家族の負担を少しでも軽減しようと、同年から国が音頭をとって、毎年の予算措置によって個別患者の医療費を助成する制度を運営している。 現在対象疾病として選定されているのはベーチェット病、多発...  難病の医療費自己負担を公費で助成する制度が見直されることになりそうだ。助成対象となる疾患の範囲を拡大しつつ、治療成績が向上した疾患について、助成継続か打ち切りかを定期的に検証するのだという。厚生労働省の難病対策委員会が今年8月、そうした趣旨の中間報告をまとめた。 難病の定義は、72年の厚生省(当時)の「難病対策要綱」によれば、「①原因不明、治療方針未確定であり、かつ、後遺症を残す恐れが少なくない疾病、②経過が慢性にわたり、単に経済的な問題のみならず介護等に著しく人手を要するために家族の負担が重く、また精神的にも負担の大きい疾病」とされている。 こうした患者・家族の負担を少しでも軽減しようと、同年から国が音頭をとって、毎年の予算措置によって個別患者の医療費を助成する制度を運営している。 現在対象疾病として選定されているのはベーチェット病、多発性

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