医薬経済オンライン

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歯科からの提言 古くて新しい病巣疾患

口と脳の密接な関係

第3回

相田歯科クリニック院長 歯学博士 相田能輝

2012年9月15日号

 NHKテレビの人気番組「ためしてガッテン」で、咀嚼運動が脳に与える影響が紹介され話題になった。噛む行為は脳を活性化し、体のバランスを取る重要な役割を担う、生きるために欠かせないという話である。ほぼ寝たきり状態だった高齢者の歯を治療して口から食事を摂れるようになると、自立歩行するまで回復したという様子が映像で紹介された。  終日ベッドに横たわり、介護者の問いかけにも反応しなかった男性に、歯科医師が義歯を製作し装着するとQOLが劇的に回復する。本人は、「気力が蘇った」という。  番組では、「噛むことは脳を活性化するだけでなく、体のバランスを取る重要な役割を担う、生きるために必要な力」と、東北福祉大学の渡邉誠教授が結論づけている。  咀嚼と脳をつなぐ重要な働きをするのが、歯の根の部分をとりまく歯根膜である。歯根膜は、咀嚼の際に歯にかかる衝撃を...  NHKテレビの人気番組「ためしてガッテン」で、咀嚼運動が脳に与える影響が紹介され話題になった。噛む行為は脳を活性化し、体のバランスを取る重要な役割を担う、生きるために欠かせないという話である。ほぼ寝たきり状態だった高齢者の歯を治療して口から食事を摂れるようになると、自立歩行するまで回復したという様子が映像で紹介された。  終日ベッドに横たわり、介護者の問いかけにも反応しなかった男性に、歯科医師が義歯を製作し装着するとQOLが劇的に回復する。本人は、「気力が蘇った」という。  番組では、「噛むことは脳を活性化するだけでなく、体のバランスを取る重要な役割を担う、生きるために必要な力」と、東北福祉大学の渡邉誠教授が結論づけている。  咀嚼と脳をつなぐ重要な働きをするのが、歯の根の部分をとりまく歯根膜である。歯根膜は、咀嚼の際に歯にかかる衝撃を和ら

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