医薬経済オンライン

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ラテン転々

料理店主との対話(その2)

No.28

三山喬

2012年9月15日号

 結局、そのペルー人料理店主が質問を理解してくれたのは、インタビューも2回目、1時間以上話し込んでからのことだった。 ペルーの最底辺、プエブロ・ホーベン(スラム街)の人たちはなぜ明るく、朗らかに生きていられるのか。日本人だったら、ああいう境遇になったら、どうしたって落ち込んでしまうだろう……。 スラム街の住民の大半は、アンデス地方から出てきた人たちで、めいめいが半砂漠の原野だった土地を不法占拠して、掘立小屋を建てて暮らしている。 ある程度、人口が集中した地区には、政府が電気を通し、水道を引く。それでも多くの住民の収入は、1日1ドルにも満たないのが現実である。 道端で露天商をしたり、工事現場で日雇い仕事をしたり。そんな明日をも知れぬ日々のなかで7人も8人も子どもを生み、ともあれ、彼らは生きている。それどころか、辻々からは陽気な音楽が流れ、笑い声が...  結局、そのペルー人料理店主が質問を理解してくれたのは、インタビューも2回目、1時間以上話し込んでからのことだった。 ペルーの最底辺、プエブロ・ホーベン(スラム街)の人たちはなぜ明るく、朗らかに生きていられるのか。日本人だったら、ああいう境遇になったら、どうしたって落ち込んでしまうだろう……。 スラム街の住民の大半は、アンデス地方から出てきた人たちで、めいめいが半砂漠の原野だった土地を不法占拠して、掘立小屋を建てて暮らしている。 ある程度、人口が集中した地区には、政府が電気を通し、水道を引く。それでも多くの住民の収入は、1日1ドルにも満たないのが現実である。 道端で露天商をしたり、工事現場で日雇い仕事をしたり。そんな明日をも知れぬ日々のなかで7人も8人も子どもを生み、ともあれ、彼らは生きている。それどころか、辻々からは陽気な音楽が流れ、笑い声が絶え

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