時流遡航
原子力発電所問題の根底を探る
第12回
ジャーナリスト 本田成親
2012年9月15日号
福島県の放射能汚染地域の除染に伴って生じる汚染物質の最終処分場候補地に鹿児島県の南大隅町の名が浮上してきた。脱水焼却し濃縮された汚染物質を福島県内に設置される予定の中間処理施設に一定期間保管し、最終的にはそれらをガラスで固めてスチール缶に詰め、最終処分地候補の南大隅町の地中深くに半永久的に貯蔵し続けようというのである。昨今の原子力行政の窮状を冷静に見据えたうえでのひとつの提案には違いないのだが、そのことが報道されると、すぐさま周辺自治体は反対の意思を表示し始めた。もしもこの話が進展を見せるようなら、南大隅町に対しては適切な国家的支援と全国民の深い謝意や評価が寄せられてしかるべきだろう。
この種の話が持ち上がるとすぐに、当該自治体などに対して、地域の安全を無視した財政優先の発想だという批判が生じるのも常なのだが、気持ちは...
福島県の放射能汚染地域の除染に伴って生じる汚染物質の最終処分場候補地に鹿児島県の南大隅町の名が浮上してきた。脱水焼却し濃縮された汚染物質を福島県内に設置される予定の中間処理施設に一定期間保管し、最終的にはそれらをガラスで固めてスチール缶に詰め、最終処分地候補の南大隅町の地中深くに半永久的に貯蔵し続けようというのである。昨今の原子力行政の窮状を冷静に見据えたうえでのひとつの提案には違いないのだが、そのことが報道されると、すぐさま周辺自治体は反対の意思を表示し始めた。もしもこの話が進展を見せるようなら、南大隅町に対しては適切な国家的支援と全国民の深い謝意や評価が寄せられてしかるべきだろう。
この種の話が持ち上がるとすぐに、当該自治体などに対して、地域の安全を無視した財政優先の発想だという批判が生じるのも常なのだが、気持ちはわ
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