医薬経済オンライン

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この国につけるクスリ 社会保障よもやま話

介護保険のなかの税財源

東京福祉大学・大学院教授 喜多村悦史

2012年9月15日号

 団塊の世代が高齢者(65歳以上)の仲間入りをする。膨大な人員が稼得生活から引退生活に移動しているわけだ。それを理由に、社会保障制度の崩壊を騒ぎ立てる風潮があるが、問題を指摘するだけならサルでもできる。求められているのは根本対策なのだ。 政府にカネはないのだから、もっと寄越せと騒いでも益はない。人口動態も変えようがない。でも、誰しも生まれてきた以上、自分らしい暮らしをしながら、寿命を全うしたいと願う。自身が主張する権利は他人にもある。お互いさまと相互に尊重し合うなら、自ずから解法は見えてくるはずだ。 国民主権及び民主主義の基本に立ち返れば、政府は主権者たる国民の合意で成り立つ。政府がすべきことと、それに必要な財源負担は国民が決する。治安・国防・外交などについて異存はあるまい。 だが、加齢で身体機能が衰えた人の食事や排泄介助のために他人の手...  団塊の世代が高齢者(65歳以上)の仲間入りをする。膨大な人員が稼得生活から引退生活に移動しているわけだ。それを理由に、社会保障制度の崩壊を騒ぎ立てる風潮があるが、問題を指摘するだけならサルでもできる。求められているのは根本対策なのだ。 政府にカネはないのだから、もっと寄越せと騒いでも益はない。人口動態も変えようがない。でも、誰しも生まれてきた以上、自分らしい暮らしをしながら、寿命を全うしたいと願う。自身が主張する権利は他人にもある。お互いさまと相互に尊重し合うなら、自ずから解法は見えてくるはずだ。 国民主権及び民主主義の基本に立ち返れば、政府は主権者たる国民の合意で成り立つ。政府がすべきことと、それに必要な財源負担は国民が決する。治安・国防・外交などについて異存はあるまい。 だが、加齢で身体機能が衰えた人の食事や排泄介助のために他人の手を借

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