協会けんぽの好調決算、頭抱える厚労省
「総報酬割」拡大の障害に、メディア戦略も裏目
2012年8月15日号
全国健康保険協会(協会けんぽ)が、11年度決算で2586億円の黒字を計上した。準備金の赤字も解消して、1947億円のプラスに転じる見込みだ。喜ばしい話に聞こえるが、ハッキリとした黒字だと都合の悪いこともあるようで、この決算結果がいろいろ物議を醸しているという。 思い起こせば、リーマンショックをきっかけに協会けんぽの保険料収入が激減し、準備金が枯渇する騒ぎがあったのは09年度のこと。3200億円の欠損が発生し、金融機関からの借入で当座を凌ぐという異例の対応を協会けんぽは行うこととなった。医療保険は本来なら単年度で帳尻を合わせる決まりだから、次年度に保険料率を一気に1.7%引き上げる必要があった。だが、それでは中小企業に壊滅的な打撃を与えてしまうということで、3年間の猶予が「特例措置」として認められたのだ。 特例措置では、国庫補助率の引き上げも行われた(13%...
全国健康保険協会(協会けんぽ)が、11年度決算で2586億円の黒字を計上した。準備金の赤字も解消して、1947億円のプラスに転じる見込みだ。喜ばしい話に聞こえるが、ハッキリとした黒字だと都合の悪いこともあるようで、この決算結果がいろいろ物議を醸しているという。 思い起こせば、リーマンショックをきっかけに協会けんぽの保険料収入が激減し、準備金が枯渇する騒ぎがあったのは09年度のこと。3200億円の欠損が発生し、金融機関からの借入で当座を凌ぐという異例の対応を協会けんぽは行うこととなった。医療保険は本来なら単年度で帳尻を合わせる決まりだから、次年度に保険料率を一気に1.7%引き上げる必要があった。だが、それでは中小企業に壊滅的な打撃を与えてしまうということで、3年間の猶予が「特例措置」として認められたのだ。 特例措置では、国庫補助率の引き上げも行われた(13%&ra
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