医薬経済オンライン

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歯科からの提言 古くて新しい病巣疾患

全身疾患は口から治す

第1回

相田歯科クリニック院長 歯学博士 相田能輝

2012年8月15日号

 病巣感染は、多くは感染症に起因する体の一部に慢性微少炎症が起こり、そこが原病巣になってほかの部位で病域が発症することである。病巣感染の考え方は20世紀初頭、米国シカゴ大学医学部長のF・ビリングスの研究によって広く知られるようになった。 病巣感染は口腔内が最も生じやすいとし、60%が扁桃(扁桃病巣感染)、25%が歯(歯性病巣感染)であるとするビリングスの説は一時期欧米で強く支持され、入院患者が次々に抜歯されることになる。だが、当時の免疫学は未成熟で、1940年代以降、抗生剤による治療が主流となると、米国歯科学会は51年に学会誌で歯科疾患と全身疾患の関係を否定、欧米での病巣感染説は姿を消した。 さらに今からほぼ90年前、医学的な論争のなかで長く封印されることとなった口腔と全身の健康の関係を示す歴史的な発見があった。 米国の歯科医学研究者ウェストン・A・...  病巣感染は、多くは感染症に起因する体の一部に慢性微少炎症が起こり、そこが原病巣になってほかの部位で病域が発症することである。病巣感染の考え方は20世紀初頭、米国シカゴ大学医学部長のF・ビリングスの研究によって広く知られるようになった。 病巣感染は口腔内が最も生じやすいとし、60%が扁桃(扁桃病巣感染)、25%が歯(歯性病巣感染)であるとするビリングスの説は一時期欧米で強く支持され、入院患者が次々に抜歯されることになる。だが、当時の免疫学は未成熟で、1940年代以降、抗生剤による治療が主流となると、米国歯科学会は51年に学会誌で歯科疾患と全身疾患の関係を否定、欧米での病巣感染説は姿を消した。 さらに今からほぼ90年前、医学的な論争のなかで長く封印されることとなった口腔と全身の健康の関係を示す歴史的な発見があった。 米国の歯科医学研究者ウェストン・A・プ

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