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From Local to Global 私と公衆衛生

パンドラの匣—肝炎対策

第46回

日本尊厳死協会理事長 岩尾總一郎(元厚労省医政局長)

2012年8月1日号

 今年の初め、厚生労働省の担当室長から電話がかかってきた。「岩尾さん。B型肝炎研究班の事前評価委員をお願いできませんか。行政の視点から研究評価する人が欲しいのです」 「行政官の意向で研究テーマの採択が左右されるのはけしからんと、厚生科学研究費は行政裁量の余地がなくなったのではないか」 「肝炎対策は最高裁の和解勧告を受けて特別措置法が施行され、B型肝炎対策として治療薬開発の実用化研究に28億円の予算がつきました。従って、アカデミズムよりもその研究が役に立つかモノになるかという視点が必要なのです」 B型肝炎訴訟は、幼少期に受けた集団予防接種などの際、注射器が連続使用されたことによってB型肝炎ウイルスに持続感染したとされる原告が、国に損害賠償を求めた集団訴訟だ。裁判所の仲介の下で和解協議を進めた結果、11年6月28日に、国と原告との間で「基本合意書...  今年の初め、厚生労働省の担当室長から電話がかかってきた。「岩尾さん。B型肝炎研究班の事前評価委員をお願いできませんか。行政の視点から研究評価する人が欲しいのです」 「行政官の意向で研究テーマの採択が左右されるのはけしからんと、厚生科学研究費は行政裁量の余地がなくなったのではないか」 「肝炎対策は最高裁の和解勧告を受けて特別措置法が施行され、B型肝炎対策として治療薬開発の実用化研究に28億円の予算がつきました。従って、アカデミズムよりもその研究が役に立つかモノになるかという視点が必要なのです」 B型肝炎訴訟は、幼少期に受けた集団予防接種などの際、注射器が連続使用されたことによってB型肝炎ウイルスに持続感染したとされる原告が、国に損害賠償を求めた集団訴訟だ。裁判所の仲介の下で和解協議を進めた結果、11年6月28日に、国と原告との間で「基本合意書」が

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