医薬経済オンライン

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「ビガバトリン」に見る未承認薬問題の根

“法の隙間”に置かれた患者たち

2012年7月1日号

「非常に不便な形態であることは重々承知しているが、患者が使えない状況ではない」  07年4月、当時の「未承認薬使用問題検討会」は、サノフィアベンティスに、「ビガバトリン」という医薬品の国内開発を要請した。しかし、厚生労働省は、日本での承認取得は難しいと踏んでいた。  γアミノ酪酸(GABA)分解酵素阻害剤に分類されるビガバトリンは、89年に英国で初めての承認を得た抗てんかん薬だ。神経伝達物質であるGABAに対する分解酵素の働きを阻害し、結果としてGABAの増強を促すことで、てんかんの諸症状を抑える。  英国では乳児点頭てんかんに対する有力な治療選択肢として、「サブリル」の製品名で知られていたが、初承認から20年近く経過していた07年当時、これを日本で製品化するのは困難な状況にあった。  難治性部分てんかんを患う成人を対象として90年から開始された治験中... 「非常に不便な形態であることは重々承知しているが、患者が使えない状況ではない」  07年4月、当時の「未承認薬使用問題検討会」は、サノフィアベンティスに、「ビガバトリン」という医薬品の国内開発を要請した。しかし、厚生労働省は、日本での承認取得は難しいと踏んでいた。  γアミノ酪酸(GABA)分解酵素阻害剤に分類されるビガバトリンは、89年に英国で初めての承認を得た抗てんかん薬だ。神経伝達物質であるGABAに対する分解酵素の働きを阻害し、結果としてGABAの増強を促すことで、てんかんの諸症状を抑える。  英国では乳児点頭てんかんに対する有力な治療選択肢として、「サブリル」の製品名で知られていたが、初承認から20年近く経過していた07年当時、これを日本で製品化するのは困難な状況にあった。  難治性部分てんかんを患う成人を対象として90年から開始された治験中に

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