医薬経済オンライン

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いまさら聞けない生薬・漢方薬

「生薬」とは何か

第1回

名古屋市立大学大学院薬学研究科生薬学分野准教授 牧野利明

2012年7月1日号

 新聞報道(共同通信47ニュース、11年12月13日)によれば、医師のおよそ9割が漢方薬を処方し、6割は一部の疾患で第1選択薬として用いていること、漢方薬を現在処方している医師は89%にのぼり、処方経験がまったくない医師は3%、漢方薬を第1選択薬とすることがある医師が59%であったことが、日本漢方生薬製剤協会が実施したインターネット調査でわかりました。  生薬学・漢方薬物学を薬学部の学生に教えている私としては、このような調査結果は、やり甲斐の点で大歓迎です。  ところで、読者のみなさんは「生薬学」という学問分野はご存じでしょうか。「生薬学」という科目は、薬学部における必須科目ですが、医学部や理学部などほかの学部には一切なく、薬学ならではの科目と言えます。総合大学における薬学部の定員は全学年のうちの3%もいない(京都大学の場合)ので、大部分のみなさんはご存じ...  新聞報道(共同通信47ニュース、11年12月13日)によれば、医師のおよそ9割が漢方薬を処方し、6割は一部の疾患で第1選択薬として用いていること、漢方薬を現在処方している医師は89%にのぼり、処方経験がまったくない医師は3%、漢方薬を第1選択薬とすることがある医師が59%であったことが、日本漢方生薬製剤協会が実施したインターネット調査でわかりました。  生薬学・漢方薬物学を薬学部の学生に教えている私としては、このような調査結果は、やり甲斐の点で大歓迎です。  ところで、読者のみなさんは「生薬学」という学問分野はご存じでしょうか。「生薬学」という科目は、薬学部における必須科目ですが、医学部や理学部などほかの学部には一切なく、薬学ならではの科目と言えます。総合大学における薬学部の定員は全学年のうちの3%もいない(京都大学の場合)ので、大部分のみなさんはご存じな

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