老医師のつぶやき
医者の寄り道
第3回
吉原忠男(前埼玉県医師会長)
2012年7月1日号
考えて見れば、なんで医者になったのだろうか。別に医者が嫌で後悔しているわけでもなく、この職業にある程度の矜持もあり、医者の風上にも置けない、などと言われないように努力してきたつもりだ。
しかし、この歳になると、自分は医師として、人々や社会のためにどれだけ役に立ってきたのだろうかと、心許ない気持ちになる。医師としてもっと立派な仕事をしている人はごまんといる。学者、街の赤ひげ先生、皆偉い。私は開業して20〜30年経って医師会の役員になった。理事から始めて最後は埼玉県医師会長になった。
いろいろ医師会の事情や友人たちの勧めもあった。強く断れば断れたと思うが、何か会のために役に立ちたいとも思った。役に立てたかどうかは自信がない。その評価は他人がするものだ。少なくとも地域医療のシステムの改善や、会内の合理化・簡素化に仲間とともに努力した。し...
考えて見れば、なんで医者になったのだろうか。別に医者が嫌で後悔しているわけでもなく、この職業にある程度の矜持もあり、医者の風上にも置けない、などと言われないように努力してきたつもりだ。
しかし、この歳になると、自分は医師として、人々や社会のためにどれだけ役に立ってきたのだろうかと、心許ない気持ちになる。医師としてもっと立派な仕事をしている人はごまんといる。学者、街の赤ひげ先生、皆偉い。私は開業して20〜30年経って医師会の役員になった。理事から始めて最後は埼玉県医師会長になった。
いろいろ医師会の事情や友人たちの勧めもあった。強く断れば断れたと思うが、何か会のために役に立ちたいとも思った。役に立てたかどうかは自信がない。その評価は他人がするものだ。少なくとも地域医療のシステムの改善や、会内の合理化・簡素化に仲間とともに努力した。しか
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